第100回東京箱根間往復大学駅伝競走(1月2~3日)

1強・駒澤に中央、青山、國學院がどこまで迫れるのか。大方の予想はそんなところだっただろう。しかし、幕を開けてみれば、猛威というべき青山の速さ、強さだ! 脱帽するしかない。

猛威は青学だけではなかった。インフルエンザの猛威が、選手たちを襲った。最大の「被害校」は駒澤に肉薄すると思われていた中大だ。12月の合宿中に、ほとんどの選手が感染したという。
早大も例外ではなかった。暮れに発熱し出走を断念した伊藤大志(スポ科3・佐久長聖)と北村光(スポ科4・樹徳高)は、山の上り、下りで区間賞を狙える力を持っていただけに、その「被害」は、かなり大きかっただろう。それでも、往路では「山の名探偵」の称号を賜った工藤慎作(スポ科1・八千代松陰)が区間6位と健闘し、伊藤の穴を埋めてくれた。雨中をひた走る姿は、同じ雨中の関東インカレ10000mで6位入賞を果たした、粘り強い走りを思い起こさせた。

しかし、往路では、北村と欠場の佐藤航希(スポ科4・宮崎日大)、二つの穴を埋めることはできなかった。6区、7区と下がりつづけ、あわやシード落ち! 危機を救ったのは、伊勢で熱中症により失速した伊福陽太(政経3.洛南高)、そして、シード獲得を決定づける快走をみせつけた菅野雄太(教3・西武文理)の2選手だ。トップアスリート推薦・スポーツ推薦組の4年生が欠場あるいは凡走の状況で、一般入試組が、区間上位に食い込み、シード権を死守した意義は大きい。

ただ、優勝した青山学院と早稲田のタイム差は15分もある。ひとり1分縮めても、追いつかない差なのだ。これから、どこまで詰めていけるのか、なかなか厳しい道だが、来シーズンの奮起に期待したい。

(昨年同様、下書き保存し、そのまま忘れていました。今さら何だ!のUPです)

●1区(21.3キロ)
<チーム通過順位・個人区間記録>
1位 駒 大(篠原倖太郎3)1時間01分02秒
2位 創価大(桑田大輔4)1時間01分25秒
3位 城西大(野村颯斗4)1時間01分26秒
4位 日 大(西村翔太4)1時間01分28秒
5位 東海大(兵頭ジュダ2)1時間01分33秒
12位 早 大(間瀬田純平=スポ科2・鳥栖工業)1時間01分53秒

得意のラスト勝負に絡めなかった間瀬田。

●2区(23.1キロ)
<チーム通過順位>
1位 駒 大
2位 青山学院
3位 創価大
4位 早 大
5位 城西大

<個人区間順位>
1位 黒田朝日(青山学院2)1時間06分07秒
2位 鈴木芽吹(駒大4)1時間06分20秒
3位 平林清澄(國學院3)1時間06分26秒
4位 山口智規(スポ科2・学法石川)1時間06分31秒(早稲田新記録)


渡辺康幸が71回大会で記録した1時間06分48秒の早稲田記録を29年ぶりに破る快走を見せた山口。区間賞の黒田朝日とは同学年、早稲田のエースとして、とりあえずのターゲットは黒田になるだろう。

●3区(21.4キロ)
<チーム通過順位>
1位 青山学院
2位 駒 大
3位 城西大
4位 日 大
5位 東洋大
7位 早 大

<個人区間記録>
1位 太田蒼生(青山学院3)59分47秒
2位 佐藤圭汰(駒大2)1時間00分13秒
3位 ヴィクター・キムタイ(城西大2)1時間01分29秒
7位 辻 文哉(政経4・早実)1時間02分39秒

辻は、最初で最後の箱根。しっかり役割は果たした。

●4区(20.9キロ)
<チーム通過順位>
1位 青山学院
2位 駒 大
3位 城西大
4位 東洋大
5位 國學院
6位 早 大
<個人区間順位>
1位 佐藤一世(青山学院4)1時間01分10秒
2位 松山和希(東洋大4)1時間00分35秒
3位 湯浅 仁(中 大4)1時間01分44秒
13位 石塚陽士(教3・早実)1時間02分50秒

●5区(21.8キロ)
<往路順位>
1位 青山学院 5時間18分13秒(大会新)
2位 駒 大 5時間20分51秒(大会新)
3位 城西大 5時間21分30秒
4位 東洋大 5時間25分19秒
5位 早 大 5時間26分05秒
6位 國學院 5時間27分07秒
<個人区間記録>
1位 山本唯翔(城西大4)1時間09分14秒(区間新)
2位 若林宏樹(青山学院3)1時間09分32秒(区間新)
3位 金子伊吹(駒 大4)1時間10分44秒
6位 工藤慎作(スポ科1・八千代松陰)1時間12分12秒

●6区(20.8キロ)
<チーム通過順位>
1位 青山学院
2位 駒 大
3位 城西大
4位 東洋大
5位 創価大
8位 早 大

<個人区間記録>
1位 武田和馬(法大3)58分02秒
2位 野村昭夢(青山学院3)58分14秒
3位 川上翔太(創価大1)58分15秒

20位 栁本匡哉(スポ科4・豊川高)1時間01分02秒

北村光の代役を果たせなかった栁本。最後の箱根も不完全燃焼に終わった。

●7区(20.8キロ)
<チーム通過順位>
1位 青山学院
2位 駒 大
3位 城西大
4位 東洋大
5位 創価大
9位 早 大

<個人区間順位>
1位 吉居駿恭(中大2)1時間02分27秒
2位 小野隆一朗(帝京大4)1時間02分44秒
3位 山内健登(青山学院4)1時間02分46秒
14位 諸富 湧(教3・洛南高)1時間04分30秒

ハラハラさせる走りだったが、とにもかくにもシード権圏内を確保。

●8区(21.4キロ)
<チーム通過順位>
1位 青山学院
2位 駒 大
3位 城西大
4位 東洋大
5位 國學院
8位 早 大

<個人区間記録>
1位 塩出翔太(青山学院2)1時間04分00秒
2位 分須尊紀(日体大3)1時間04分40秒
3位 綾 一輝(明大1)1時間04分42秒
5位 伊福陽太(政経3・洛南高)1時間04分56

●9区(23.1キロ)
<チーム通過順位>
1位 青山学院
2位 駒 大
3位 城西大
4位 東洋大
5位 國學院
7位 早 大

<個人区間記録>
1位 倉本玄太(青山学院4)1時間08分51秒
2位 吉田 周(東洋大3)1時間09分12秒晟
3位 小林大晟(帝京大3)1時間09分30秒
11位 菖蒲敦司(スポ科4・西京高)1時間10分22秒


キャプテンらしい走りとはいえないものの、順位を一つ上げて、アンカーに。

●10区(23.0キロ)

<復路順位>
1位 青山学院5時間23分12秒
2位 駒 大 5時間27分09秒
3位 東洋大 5時間27分28秒
4位 法 大 5時間27分32秒
5位 國學院 5時間28分20秒
6位 帝京大 5時間28分59秒
10位 早 大 5時間30分35秒
<総合順位>
1位 青山学院10時間41分25秒(大会新)
2位 駒 大 10時間48分00秒
3位 城西大 10時間52分26秒
4位 東洋大 10時間52分47秒
5位 國學院 10時間55分27秒
6位 法 大 10時間56分35
7位 早 大 10時間56分40秒
8位 創価大 10時間57分21秒
9位 帝京大 10時間59分22秒
10位 大東大 11時間00分42秒

<個人区間記録>
1位 岸本遼太郎(東洋大2)1時間08分51秒
2位 宇田川瞬矢(青山学院2)1時間09分21秒
3位 関口絢太(立大4)1時間09分29秒
5位 菅野雄太(教3・西武文理)1時間09分45秒

シード権争いから完全に抜け出した菅野の健闘も光った。

2024-03-18