多くの決勝レースが、強風をともなう「雨中戦」となる悪コンディションの中、エンジのユニフォームがトラック全種目で躍動した。結果、114点という大量得点で、トラック優勝を果たした(総合でも、順大につづく2位)。激しい風雨をものともせず「疾風に勁草を知る」を地で行く成績を残した選手たちの「強さ」が目立った大会だったといえるだろう。
長距離陣は、最初の決勝種目10000mで、石塚陽士が3着、工藤慎作が6着と、いい流れをつくり、3000mSCでは、菖蒲敦司が3連覇を達成。諸富涌も6着と健闘した。5000mでも、故障明けの山口智規が末脚を爆発させて3着、伊藤大志も5着で、長距離最後のレースを締めくくった。トラック種目すべてで、得点を重ねただけに、(いちおうトラック種目だが)ハーフマラソンで、表彰台を狙えるはずだった3選手が、本来の力を発揮できず、入賞できなかったことが少々残念だった。
(於:相模原ギオンスタジアム)
●男子10000m決勝(5月11日)
1着 ジェームス・ムトゥク(山梨学院2)28分02秒80
2着 花岡寿哉(東海大2)28分15秒65
3着 石塚陽士(商3・早実)28分26秒83
6着 工藤慎作(スポ科1・八千代松陰)28分35秒76
4400mで、ムトゥクが飛び出すと、ついたのは花岡(2着)だけ。石塚は表彰台狙いに切り替えた冷静な判断で(もくろみどおり?)3着のフィニッシュ。
工藤の粘り強さも光った。激しい上位争いに、何度も振り落とされそうになりながら、最後まで集中力を切らさずに食らいつき、6位入賞。長距離適性の高いことを示した。
●男子1500m予選=5着+2(5月11日)
<1組>
1着 高村比呂飛(日体大3)3分50秒56
2着 高田尚輝(山梨学院3)3分51秒61
3着 馬場勇一郎(明大4)3分51秒75
4着 栁本匡哉(スポ科4・豊川高)3分51秒78(決勝進出)
14着 宮本優希(人科1・智辯和歌山)3分59秒09
栁本は、予選、決勝とも、積極的なレース運びで、4年生の意地をみせた(ような気がする)。
<2組>
1着 後田 築(順大1)3分56秒40
2着 中野倫希(中大3)3分56秒47
3着 大野聖登(順大1)3分56秒55
6着 間瀬田純平(スポ科2・鳥栖工業)3分56秒74
間瀬田は、東洋大の1年生、田中純(後ろ=5着)にゴール寸前でかわされ、まさかの予選落ち。
●男子1500m決勝(5月12日)
1着 高村比呂飛(日体大3)3分47秒85
2着 後田 築(順大1)3分48秒73
3着 奥山 輝(東洋大4)3分49秒04
7着 栁本匡哉(スポ科4・豊川高)3分49秒68
●男子3000mSC予選=5着+2(5月13日)
<1組>
1着 村尾雄己(順大2)8分57秒45
2着 菖蒲敦司(スポ科4・西京高)8分58秒33(決勝進出)
3着 諸富 湧(文3・洛南高)8分59秒13(決勝進出)
<2組>
1着 浦田優斗(中大3)8分51秒95
2着 湯田陽平兵(法大1)8分52秒21
3着 品田滉人(山梨学院2)8分52秒31
9着 草野洸正(商3・浦和高)9分12秒14(自己新)
●男子3000mSC決勝(5月14日)
1着 菖蒲敦司(スポ科4・西京高)8分44秒08
2着 浦田優斗(中大3)8分45秒06
3着 村尾雄己(順大2)8分48秒36
6着 諸富 湧(文3・洛南高)8分51秒92
スローな展開。菖蒲(前)に諸富もしっかりつく。しかし、2000mで、菖蒲がペースを上げると、諸富は反応できなかった。
ラスト1周、(意外にも?)中大・浦田が迫ってきたのを見て、菖蒲はもう一段ギアを上げ、振り切った。
3年連続、一番高い表彰台に!
●ハーフマラソン(5月14日)ギオンスタジアム発着女子美術大学周回コース
1着 ビライアン・キピエゴ(山梨学院1)62分16秒(大会新
2着 湯浅 仁(中大4)62分35秒
3着 梅崎 蓮(東洋大3)62分41秒
11着 菅野雄太(教3・西武文理)64分11秒
26着 伊福陽太(政経3・洛南高)67分10
32着 佐藤航希(スポ科4・宮崎日大)69分02秒
右わき腹を押さえる菅野。変調をきたしたためか、入賞を狙える位置から10、11位に後退。
スタートから後方だった伊福も太ももをしきりに押さえるしぐさを見せ、上位に上がっていく走りではなかった。
佐藤が入賞圏内にいたのは、周回3周目まで、以降、明らかに変調をきたし、ズルズルと後方に落ちていった。
●男子5000m(5月14日)
1着 三浦龍司(順大4)13分45秒52
2着 石原翔太郎(東海大4)13分46秒85
3着 山口智規(スポ科2・学法石川)13分47秒98
4着 吉岡大翔(順大1)13分748秒19
5着 伊藤大志(スポ科3・佐久長聖)13分49秒11
16着 山崎一吹(スポ科1・学法石川)14分14秒73
残り150mで、三浦、石原、吉岡から30m以上離されていた山口が直線だけで、伊藤をかわし、ゴール直前で、順大のスーパールーキー吉岡もとらえた(写真左から、三浦、山口、石原、吉岡、伊藤)
ラスト1周、先頭から、吉岡、山梨学院・ジェームス・ムゥク、三浦、伊藤(三浦の陰に)、石原、遅れて山口。先頭が入れ替わりながらも、終始この6選手が上位を競い合った。
序盤こそ、伊藤、吉岡、三浦らについていた山崎だったが。
●対抗得点
1位:順大122点、2位:早大116点、3位:東海大109.5、4位:東洋大75点
●トラック得点
1位:早大114点、2位:順大77点、3位:東洋大67点、4位:東海大38点