長距離陣のシーズンは、吉田匠の快走(3000mSC)で幕を開けた。「恐ろしいほどいいスタートを切れた」と駒野亮太コーチ(同種目、第39回大会優勝者)をうならせるほどの好記録で、昨年まで、記録、実績ともに断然上位の青木涼真(法大)を力でねじ伏せた。今年こそは、ムラのない走りを積み重ね、箱根まで引っ張っていってほしいものだ。
「始めよければ、終わりよし」という慣用句はあるが、残念ながら、「終わり」の対校5000mは、オープンレースより記録が劣るという平々凡々な結果に「終わった」。逆に、見どころがあったのは、オープン5000mの1組。法大のエース佐藤敏也がスタートから飛び出し、ぶっちぎりのレースとなったが、早大は話題のルーキー鈴木創士(浜松日体)が登場。ラスト1周から伊澤優人と壮烈なデッドヒートを繰り広げ、僅差で競り勝つ勝負根性を披露した。競り負けた伊澤は、前半から積極的にレースを進めるタイプだったが、このレースでは、後半追い上げるという新しい一面を見せて、自己記録を更新した。
扉の写真は吉田(於:慶應義塾大学日吉陸上競技場)
●3000mSC決勝+オープン(OP)
1着 吉田 匠(スポ科3・洛南高)8分43秒91(自己新・大会新)
2着 青木涼真(法大)8分45秒02
3着 田辺佑典(法大・OP)9分02秒51
4着 人見昴誠(法大)9分07秒56
5着 大木皓大(スポ科4・成田高)9分07秒96
(左の写真)法大・青木についていけば、好記録が出ると思ったが、(右)2000mで青木の前に出ると、さらに差を広げてゴール。
大木は後方でレースを進め、ラスト200mの勝負で人見(法大 )を追い上げたが、わずかに及ばず。
●対校5000m
1着 小袖英人(明大)14分16秒25
2着 岡原仁志(法大)14分24秒02
3着 村上純太(明大)14分35秒64
4着 太田直樹(スポ科2・浜松日体)14分44秒83
6着 宍倉健浩(スポ科3・早実)14分50秒30
1000m2分58秒というスローペースで滑り出したレース、1000m過ぎに明大・小袖がペースを一気に上げると、太田(左)も宍倉もついていけず、太田は明大・村上との3着争い、宍倉は法大・坪井慧との激しい5着争いとなった。結果は、上記のとおり競り負けた。
●オープン5000m
<1組>
1着 佐藤敏也(法大)14分08秒36
2着 鎌田航生(法大)14分19秒78
3着 櫛田佳希(明大)14分24秒96
6着 鈴木創士(スポ科1・浜松日体)14分28秒43
7着 伊澤優人(社学4・東海大浦安)14分28秒80(自己新)
10着 渕田拓臣(スポ科3・桂高)14分36秒94
13着 三上多聞(商4・早実)14分42秒20
15着 向井悠介(スポ科2・小豆島中央)14分45秒07
21着 遠藤宏夢(商4・國學院久我山)14分55秒78
27着 山口賢介(文2・鶴丸高)15分11秒07
残り500mから繰り広げられた伊澤(右)と鈴木のデッドヒート。伊澤は第4コーナーで前に出たが、ゴール直前で鈴木が再逆転。
故障明けの渕田(右)は、復調途上、ダイナミックな走りは見られず。(左)は向井。
序盤、好位置につけた三上(前)だが、遠藤(後ろ)とともに後退。青梅、立川の連戦疲れか。
山口もこれまで経験のなかった長い距離の連戦で、精彩を欠いた。
<2組>
1着 守角 隼(法大)14分46秒31
2着 長澤圭馬(法大)14分46秒38
3着 金橋佳佑(明大)14分48秒00
10着 室伏祐吾(商2・早実)15分05秒55
12着 河合陽平(スポ科2・時習館)15分08秒72
15着 佐藤晧星(人科2・幕張総合)15分16秒95
17着 本郷 諒(商3・岡崎城東)15分18秒26
21着 茂木凛平(スポ科2・早実)15分23秒84
27着 茂原將吾(法2・高崎高)15分43秒26
いつも安定した走りの室伏だが、そろそろ1ランクアップした走りを見せてほしい。
河合 佐藤(前)と茂木
本郷 茂原