「惨敗」のあとに待っていたのは、希望ではなく「大惨敗」だった。いまだに万全のオーダーを組めない早稲田には、作家・菊池寛の「無事これ名馬」という名言を贈ろう。永山博基は無事なのか、真柄光佑は無事なのか、太田智樹は無事なのか、そして、新迫志希はどうしたのか。上級生が背負わなければいけない伝統という名の「重圧」を1年生に与えてはいけない。
出雲のあと、伊勢は、青山学院を別格として、混戦になるだろうと予想した。しかし、伊勢でも早稲田は「駒」をそろえることができなかった。頼りになる歴戦の勇者が不在の中、若武者・中谷雄飛の雄姿だけが光った伊勢路は、3区以降、ふくらみかけたつぼみが、そぼ降る雨に打たれたかのようにしぼんでいった。まるで、瀬古利彦だけが突出していたときの早稲田のようだ。
しかし、終わったことにクヨクヨしても始まらない。出雲では、選手たちから、「自分たちの力を過信していた」という言葉が出ていた。しかし、これからは、むしろ「過信」すべきなのだ。自信を喪失することのほうが怖い。むろん、「過信」できるほどに質の高い練習を積み上げることが前提だ。その力は十分すぎるほどにある。私の眼には、箱根で2、3位争いをする(1位と言わないところが謙虚)早稲田の姿がはっきり見えているのだ。
(扉の写真は、13位から、一気に3位争いに絡んできた中谷)
●1区9.5キロ
<チーム通過順位・個人区間記録>
〇位 日本学連選抜(石井優樹=関学)27分25秒
1位 帝京大(竹下 凱)27分28秒
2位 青山学院(小野田勇次)27分29秒
3位 東海大(西川雄一朗)27分31秒
11位 早大(千明龍之佑=スポ科1・東農大二高)27分44秒
●2区11.1キロ
<チーム通過順位>
1位 東海大 59分46秒
〇位 日本学連選抜 59分49秒
2位 青山学院 59分50秒
3位 駒大 1時間00分01秒
13位 早大 1時間00分54秒
<個人区間記録>
1位 荻久保克也(城西大)32分08秒
2位 阿部弘輝(明大)32分12秒
3位 浦野雄平(國學院大)32分13秒
13位 宍倉健浩(スポ科2・早実)33分10秒
●3区11.9キロ
<チーム通過順位>
1位 東海大 1時間33分55秒
2位 青山学院 1時間34分32秒
〇位 日本学連選抜 1時間34分41秒
3位 帝京大 1時間35分04秒
6位 早大 1時間35分13秒
<個人区間記録>
1位 館澤亨次(東海大)34分09秒
2位 中谷雄飛(スポ科1・佐久長聖)34分19秒
3位 鈴木塁人(青山学院)34分42秒
●4区11.8キロ
<チーム通過順位>
1位 東海大 2時間08分33秒
2位 青山学院 2時間08分59秒
3位 帝京大 2時間09分42秒
7位 早大 2時間10分49秒
<個人区間記録>
1位 塩尻和也(順大)33分48秒
2位 林 奎介(青山学院)34分27秒
3位 西田壮志(東海大)34分38秒
10位 太田直希(スポ科1・浜松日体)35分36秒
●5区12.4キロ
<チーム通過順位>
1位 東海大 2時間44分58秒
2位 青山学院 2時間45分22秒
3位 帝京大 2時間46分20秒
10位 早大 2時間48分48秒
<個人区間記録>
1位 鬼塚翔太(東海大)36分25秒
2位 小笹 椋(東洋大)36分27秒
3位 小森稜太(帝京大)36分38秒
14位 半澤黎斗(スポ科1・学法石川)37分59秒
●6区12.8キロ
<チーム通過順位>
1位 東海大 3時間22分40秒
2位 青山学院 3時間22分51秒
3位 帝京大 3時間25分00秒
10位 早大 3時間27分45秒
<個人区間記録>
1位 吉田圭太(青山学院)37分29秒
2位 郡司陽大(東海大)37分42秒
3位 岩室天輝(日体大)37分58秒
10位 小澤直人(スポ科4・草津東)38分57秒
●7区17.6キロ
<チーム通過順位>
1位 青山学院 4時間14分27秒
2位 東海大 4時間16分25秒
3位 東洋大 4時間17分34秒
15位 早大 4時間23分22秒
<個人区間記録>
1位 パトリック・ワンブイ(日大)50分21秒
2位 森田歩希(青山学院)51分36秒
3位 山本修二(東洋大)52分02秒
16位 遠藤宏夢(商3・國學院久我山)55分37秒
●8区19・7キロ
<チーム順位>
1位 青山学院 5時間13分11秒
2位 東海大 5時間15分31秒
3位 東洋大 5時間15分57秒
15位 早大 5時間23分21秒
<個人区間記録>
1位 相澤 晃(東洋大)58分28秒
2位 山下一貴(駒大)58分43秒
3位 梶谷瑠哉(青山学院)58分44秒
10位 清水歓太(スポ科4・群馬中央中等)59分59秒