第256回日体大長距離競技会(4月23日)

自己新が続出したわけではない。13分台が出たわけでもない。しかし、今日の選手たちには、記録には表れない「見えざる力」が感じられた。とくに4年生のレースぶりが光った。攻めて粘る。抜かれても抜き返す二枚腰。最上級生の自覚と責任感がそうさせたのだろう。春の緒戦としては、関東インカレにつながる「強い」走りだったといえる。あとは「詰め」の部分の仕上げだ。

●男子5000m
<10組>
1着 中嶋亮翔(鎌倉学園)14分56秒82
2着 大﨑 遼(日体大)14分58秒16
3着 徳田亮太(日体大)15分01秒01
48着 金賀 駿(人科1・磐城高)16分21秒44
<11組>
1着 石川 諒(スポ科1・観音寺一高)15分01秒49(自己新)
2着 岩村稔大(日体大)15分11秒77
3着 岡本大地(興國高)15分12秒83

金賀(左)は苦しいレースだったが、石川の積極性が目立った。石川はペースが遅いとみるや、2200mで飛び出し、そのまま押し切った。15分台の選手とは思えない走りで、次走が期待される。

<15組>
1着 伊澤優人(社学2・東海大浦安)14分49秒06
2着 高橋航平(神大)14分49秒69
3着 山崎泰弘(NTT東京)14分51秒16
25着 平子凜太郎(先進理工2・磐城高)15分44秒08

2100mで先頭に立った伊澤(左)は3800mで2番手。しかし、すぐに巻き返し、高橋(神大)とのラスト勝負も制した。平子は前半から動きが硬く、後方のままに終わった。

<21組>
1着 河合祐哉(スポ科4・時習館)14分31秒04
2着 合田佳功(NTT東京)14分31秒70
3着 釜谷直樹(中央学院)14分32秒92
12着 三上多聞(商2・早実)14分39秒71(自己新)

河合(左)の粘り腰も光った。残り800mでいっぱいいっぱいになったかに見えたが、ラスト1周で先頭に躍り出て、激しい直線勝負に競り勝った。三上は3000mでトップに立つ積極的な走り。終盤まで粘り切れなかったが、まずは自己記録を更新。

<23組>
1着 芹澤昭紀(國學院大)14分27秒83
2着 藤原滋記(スポ科4・西脇工業)14分29秒91
3着 鎌田航生(法政二高)14分31秒34

藤原の走りが変わった。記録的には目立たないが、硬さのとれた柔らかな走りには終始、余裕が感じられた。

<24組>
1着 田中孝貴(カネボウ)14分23秒13
2着 河野敢太(國學院大)14分23秒35
3着 池田燿平(日体大)14分25秒08
4着 宍倉健浩(スポ科1・早実)14分25秒89

期待のルーキー登場。2000mから上位につけた宍倉は、ペースの上げ下げが激しいレースを粘り切った。自己記録からは遠いが、強さの片りんはうかがわれた。

<25組>
1着 熊倉優介(上武大)14分09秒81
2着 安井雄一(スポ科4・市立船橋)14分13秒89
3着 木津晶夫(DeNA)14分14秒54

強い安井が戻ってくる! そう確信できるレースだった。熊倉の飛び出しについていけなかったものの、木津との一騎討ちを制したラストは昨年にはみられなかった「粘りのある切れ」だろう。

<26組>
1着 若松儀裕(日清食品グループ)14分10秒58
2着 光延 誠(スポ科4・鳥栖工業)14分12秒17
3着 半澤黎斗(学法石川)14分12秒42

(例によって)スタートから速いペースで飛び出した光延。4000mでは5番手まで下がったが、そこから巻き返す。

 

2017-04-24