薄いカーテンを引いたような濃い霧の中でのスタートだったが、終わってみれば、箱根へ向けて視界良好! 自己新ラッシュに沸いた。
昨年の大会、62分台は4位まで、63分台は20位までだった。条件が違うとはいえ、今年は62分台13人、50位でも63分51秒という高速レースを制したのは武田凜太郎。今大会、唯一の61分台なら、エース誕生!と言ってもいいだろう。レースを引っ張った平の粘り。そして、鈴木洋平が距離を克服したうえに、先頭集団から30m以上離れた位置から、ラスト1キロの追い上げで、平に肉薄したことも好材料だ。
さらに、佐藤淳が戻ってきた。これから調子を上げていくだろう井戸浩貴。5人の4年生は強力だ。何度も言うが「4年生が強いときの、早稲田は間違いなく強い」。
太田智樹が初ハーフを62分台で上がってきた。さすがだ。しかし、今年のルーキーたちはレベルが高い。3位の鬼塚翔太(東海大)、5位の相澤晃(東洋大)は62分そこそこ、8位の松尾淳之介(東海大)も62分17秒だ。太田に加え、新迫志希が他校の1年生を凌駕するような走りができれば、箱根の勝利が見えてくる。
永山博基以外、なかなか頭を出さなかった2年生の中から、清水歓太が自己記録を大幅に更新して浮き上がってきた。これは、藤原滋記、光延誠ら、3年生への十分な刺激になるだろう。箱根の最終メンバー入りはこれから熾烈な争いになる。それだけに、ケガが心配だ。目標はあくまでも箱根、最後の集中練習はそのプロセス。ムリなく調子を上げていってほしい。
武田は山梨学院・上田健太とともに、ニューヨークシティハーフ(17年3月19日=ゼッケン)の招待を受けた。右の写真は入賞の3選手(扉の写真は、ファンの向けたカメラに破顔で応じる3選手)。
●大学男子ハーフ
1着 武田凜太郎(スポ科4・早実)61分59秒(自己新)
2着 上田健太(山梨学院)62分01秒
3着 鬼塚翔太(東海大)62分03秒
4着 小松巧弥(日体大)62分04秒
5着 相澤 晃(東洋大)62分05秒
6着 平 和真(スポ科4・豊川工業)62分14秒(自己新)
7着 鈴木洋平(スポ科4・新居浜西)62分16秒(自己新)
8着 松尾淳之介(東海大)62分17秒
9着 佐藤孝哉(山梨学院)62分28秒
10着 櫻岡 駿(東洋大)62分44秒
11着 太田智樹(スポ科1・浜松日体)62分46秒(自己新)
19着 佐藤 淳(スポ科4・明和高)63分02秒
23着 清水歓太(スポ科2・群馬中央中等)63分08秒(自己新)
28着 井戸浩貴(商4・龍野高)63分23秒
38着 藤原滋記(スポ科3・西脇工業)63分36秒
42着 光延 誠(スポ科3・鳥栖工業)63分42秒(自己新)
98着 今井開智(スポ科4・桐光学院)64分42秒
108着 河合祐哉(スポ科3・時習館)64分57秒(自己新)
146着 箱田幸寛(スポ科4・世羅高)65分29秒(自己新)
165着 浅川倖生(スポ科4・西脇工業)65分38秒(自己新)
174着 谷口耕一郎(スポ科3・福大大濠)65分49秒(自己新)
243着 小澤直人(スポ科2・草津東)66分55秒(自己新)
濃霧に姿をくらますように、中央学院1年生・横川巧が飛び出した(左の写真)。つづく集団の先頭に鈴木、井戸、平(3キロ地点)。
残り1キロを通過する先頭集団6+社会人1選手。右は懸命に前を追う鈴木。
太田(左の写真)の62分台も心強いが、(右の写真)佐藤(前)の復活と清水の飛躍はチームの総エネルギーをかなり増大させるだろう。
井戸(左)と藤原にはもう30秒短縮してほしかったが、調整も兼ねたレースと考えれば、まずまず。
(左)3キロを通過した光延(前)と太田。