第48回全日本大学駅伝(11月6日)

早大の2位を大健闘、あるいは番狂わせと呼んだ人もいるそうだ。出雲8位の印象がよほど悪かったのだろう。しかし、万全のオーダーを組めない強豪校がある中、伊勢では、青山学院の次に早大がくるのは当然、予想されたことだ。

私は友人に「青学には敵わないが、2番はある」とメールして、伊勢路に向かった。これは、希望的観測ではなかった。なぜなら、出雲のあと、相楽監督が語った言葉を素直に信じたからだ。彼は決してハッタリなど言わない、東北人らしい「誠実の人」だ。

「今年のチームの強みは、高いレベルで力が拮抗していることだ。だから、今日(10月10日)も6人を選ぶのに苦労した。太田を2区に、アンカーを安井にする布陣も考えたくらいで、誰が走っても、チームとして力が落ちることはない。8人走れる伊勢では、永山、藤原も使えるうえに、距離も延びるので、十分チャンスがある。今日の結果では大きなことは言えないが、3位以内には入る」

おおよそ、そんなことを語った。その言葉には説得力があった。

そして、4年生の平、井戸、鈴木の「巻き返し宣言」も力強いものだった。その井戸でさえ外れるほどの「高い高いドングリの背比べ」。早大の2位は順当な結果だったのだ。

まあ、今回は、つなぎの野球でヒットを重ね、なんとかリードを保っていた野球チームが、9回裏、相手の4番に逆転ホームランを打たれたようなものだ。チームワークのよさは十分見せてくれた。大事なのは次だ!

箱根には、かつてないほどの競争・競走に勝ち残った10人しか挑めない! おそらく、レベルは一段と上がっていくはずだ。青山にどう立ち向かっていくのか。そして、青山に一泡吹かせてほしいと願っているのは、ワセダファンだけではないだろう。

(扉の写真は新迫のラストスパート)

<1区>14.6キロ
●チーム通過順位・個人区間順位
1位 東洋大(服部弾馬)43分34秒
2位 早大(武田凜太郎=スポ科4・早実)43分45秒
3位 駒大(工藤有生)43分47秒

出雲では「75点」と言っていた武田が自ら「90点」をつけた好走。箱根では「100点」と言ってほしい。

<2区>13.2キロ
●チーム通過順位
1位 青山学院 1時間22分11秒
2位 早大 1時間22分12秒
3位 駒大 1時間22分36秒
●個人区間順位
1位 田村和希(青山学院)38分07秒
2位 平 和真(スポ科4・豊川工業)38分27秒
3位 ワークナー・デセレ(拓大)38分41秒

平が伊勢にかけた決意は並大抵のものではなかったろう。主将の踏ん張りで、流れは早大にきた。

<3区>9.5キロ
●チーム通過順位
1位 早大 1時間49分40秒
2位 青山学院 1時間49分54秒
3位 山梨学院 1時間50分16秒
●個人区間順位
1位 館澤亨次(東海大)27分15秒
2位 鈴木洋平(スポ科4・新居浜西)27分27秒
3位 秦 将吾(山梨学院)27分30秒

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区間賞こそ逃したものの出雲につづいての快走。

<4区>14.0キロ
●チーム通過順位
1位 早大 2時間30分17秒
2位 青山学院 2時間31分24秒
3位 中央学院 2時間31分58秒
●個人区間順位
1位 永山博基(スポ科2・鹿児島実業)40分37秒
2位 宇田朋史(拓大)40分54秒
3位 高砂大地(中央学院)41分00秒

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ブランクを感じさせない走りで、青学を引き離す。

<5区>11.6キロ
●チーム通過順位
1位 早大 3時間05分29秒
2位 青山学院 3時間06分31秒
3位 中央学院 3時間07分41秒
●個人区間順位
1位 小野田勇次(青山学院)35分07秒
2位 新迫志希(スポ科1・世羅高)35分12秒
3位 中島大就(明大)35分26秒

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出雲の借りをしっかり返した新迫。

<6区>12.3キロ
●チーム通過順位
1位 早大 3時間41分33秒
2位 青山学院 3時間42分10秒
3位 駒大 3時間19分38秒
●個人区間順位
1位 森田歩希(青山学院)35分39秒
2位 國行麗生(東海大)35分54秒
3位 藤原滋記(スポ科3・西脇工業)36分04秒

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藤原で突き放したいところだったが(ピンボケ失礼!)

<7区>11.9キロ
●チーム通過順位
1位 早大 4時間16分38秒
2位 青山学院 4時間17分27秒
3位 駒大 4時間19分38秒
●個人区間順位
1位 小町昌矢(日体大)34分54秒
2位 佐藤諒太(帝京大)34分55秒
3位 太田智樹(スポ科1・浜松日体)35分05秒

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初陣の太田は落ち着いた走りで、青山との差を広げる(もっとピンボケ。ごめんなさい)

<8区>19.7キロ
●チーム順位
1位 青山学院 5時間15分15秒
2位 早大 5時間16分11秒
3位 山梨学院 5時間16分50秒
4位 駒大 5時間17分41秒
5位 中央学院 5時間19分36秒
6位 東洋大 5時間19分49秒
●個人区間順位
1位 ドミニク・ニャイロ(山梨学院)56分43秒
2位 一色恭志(青山学院)57分48秒
3位 大塚祥平(駒大)58分03秒
5位 安井雄一(スポ科3・市立船橋)59分33秒

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なかなか力を出し切れない安井だが、箱根では「山の王」を目指す

2016-11-09