「出場選手は全員うまく仕上がっているので、今日も明日も上位にくると思います」と自信のほどを明かした相楽監督の言葉通り、10000mでは、武田凜太郎と井戸浩貴が(こういう言い方はしたくないが)日本人1、2着を占めた。武田は3位争いをする5選手のなかから、7600mで完全に抜け出すと、大きく先行するワンブイ、ニャイロをわずかに追い上げ、(ラストで再び引き離されるも)復活ぶりをアピールした。井戸もラストで、富安央(日体大)、松井将器(東工大)を振り切り、4着かと思われたが、一度落ちたキチアが盛り返し、惜しくも5着。武田のスパートにはつけなかったものの粘り強い走りだった(駒大、青山学院の選手は5000mしかエントリーしていない。日本インカレは選手にとって貴重な経験になると思うが、どんな気持ちなのか?)。
歴史だけでなく、陸上にも「もし」はないと思うが、もし中村清監督がいたら、「なんで中距離なんかやるんだ。長距離にしなさい」と間違いなく言われたはずの齋藤雅英が、なんと、いきなり学生チャンピオンに! 自分の選択が間違っていなかったことを自ら証明したのは、おみごと。(於:熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)
●男子10000m決勝
1着 パトリック・ワンブイ(日大)29分00秒51
2着 ドミニク・ニャイロ(山梨学院)29分08秒38
3着 武田凜太郎(スポ科4・早実)29分25秒95
4着 ジェフリ・ギチア(第一工業大)29分46秒15
5着 井戸浩貴(商4・龍野高)29分46秒41
3位争いから抜け出した武田(左)と4位争いの(前から)松井、井戸、富安。
●男子1500m決勝
1着 齋藤雅英(スポ科1・早実)3分50秒01
2着 船津彰馬(中大)3分50秒70
3着 林竜之介(東海大)3分50秒90
齋藤はラスト250mでインからするすると上がり、直線一気に抜け出す快勝!
●女子10000mW
1着 五藤怜奈(中部学院大)46分10秒01
2着 河添香織(立命館)47分22秒71
3着 溝口友己歩(スポ科1・長野東)48分26秒30
左足いっぱいのテーピングが痛々しい溝口。一時は50m以上引き離していた河添に3600mで追いつかれる。