遅咲きの「伸び盛り」と言っていいかもしれない。4月に自己記録を更新した4年生、前野陽光と藤岡孝彰が粘りと気迫の走りで、再び記録を塗り替えた。二人には、このまま記録を更新しつづけそうな「勢い」がある。一方で、これから実績を積み重ねていくべきルーキーのデビューがあり、箱田幸寛、大島遼太郎、川村裕幹、柄本勲明の3年生が繰り広げた一進一退の激しいレースに、最後は2年生の河合祐哉がからむという「我慢比べ」があり、暑さを忘れさせるほどの「盛りだくさん」競技会だった。(於:世田谷区立総合運動場 陸上競技場)
(扉の写真は、大挙出場した青山学院の一線級と渡り合う中村駿介)
●女子3000m
<1組>
1着 堀明日香(スポ科2・世羅高)10分04秒91
このクラスでは負けられない。2300mで飛び出すと、そのまま独走。
●男子3000m
<4組>
14着 山内敬仁(先進理工1・熊本高)9分11秒49(自己記録)
山内は序盤につまずき、ややペースを乱した。
<5組>
1着 西田 稜(政経1・早大学院)8分43秒97(自己記録)
12着 井上翔太(スポ科1・千種高)9分11秒19(自己記録)
400mで先頭に立ち、1500mからは独走だった西田。ラストで柏日体の石川に詰め寄られるも振り切った。
1000mで遅れ始めた井上。
<6組>
1着 浅石裕史(駒大)8分14秒28
2着 前田悠貴(OB・Honda)8分14秒28
3着 高倉祐樹(東洋大)8分17秒63
8着 鈴木洋平(スポ科3・新居浜西)8分24秒80(自己新)
故障明けとしては、まずまずの走りを見せた鈴木洋。ここから上昇機運に乗る気配!
レースを引っ張った前田は同タイム2着。
●男子5000m
<8組>
1着 田辺浩司(北海道栄高)14分37秒64
2着 岸 哲也(國學院久我山)14分37秒72
3着 桃澤大祐(上伊那陸協)14分37秒91
5着 箱田幸寛(スポ科3・世羅高)14分39秒39
12着 大島遼太郎(スポ科3・下妻第一高)14分41秒99
15着 河合祐哉(スポ科2・時習館)14分45秒27
17着 川村裕幹(基幹理工3・和歌山桐蔭)14分49秒91
19着 柄本勲明(スポ科3・早大佐賀)14分54秒76
34着 鈴木皐平(教2・時習館)15分31秒11
早大選手同士のサバイバルレースを「勝ち抜いた」のは箱田だった。
このレースは大島が主導権を握っているかに見えたが、終盤、箱田に突きはなされた。
サバイバルレースに参加していなかった(はずの)河合が最後は割って入った。さすが「ネバリーマン」。
川村は早大トップを思わせる走りだった。久しぶりがこたえたか、終盤後退。
調子の戻ってこない柄本の復調が待たれる。
苦しいレースがつづく鈴木皐。ここを抜け出すきっかけが欲しい。
<9組>
1着 小山裕太(駒大)14分20秒90
2着 竹下和輝(東洋大)14分21秒88
3着 前野陽光(スポ科4・多摩高)14分24秒09(自己新)
15着 清水歓太(スポ科1・群馬中央中等)14分42秒42
21着 今井開智(スポ科3・桐光学院)14分53秒42
落ち着いた走りが目立った前野。次は10秒そこそこへ!
終盤まで押し切れなかったが、若武者らしい積極的なレースで見せ場をつくった清水。
今井は復帰2戦目で、もう少し上積みがほしかっただろう。
<10組>
1着 松浦大志(神大)14分19秒67
2着 下 史典(駒大)14分21秒49
3着 土屋貴幸(東海大)14分22秒24
5着 藤岡孝彰(商4・早実)14分23秒23(自己新)
藤岡の安定感は確実に増してきた。もう1ランク上に!
<11組>
1着 一色恭志(青山学院)13分57秒47
2着 秋山雄飛(青山学院)13分58秒76
3着 ジョン・カリウキ(青森鎌田)13分59秒18
26着 中村駿介(社学4・岡崎城西)14分28秒79
青学の選手を相手に13分台を狙える位置にいた中村。細かい動きをし過ぎた感もあり、消耗した。