今年のチームは、駅伝で一度も勝った経験がないのに、関カレやインカレのトラックで誰一人勝ったことがないのに、一貫して「3冠」を口にしていた。それも「強く」だ。
早大には、青山学院のような「速さ」はない。服部兄弟という二枚看板を擁する東洋大やどんな展開になっても、上位に来る駒大の「強さ」もない。だから、下馬評では4、5番目の評価しか与えられていないのだろう。
しかし、志の「高さ」はどこにも負けない。エース不在といわれるなら、二枚看板などとケチなことをいわず、十枚看板を掲げて走ればいい。これほど高いレベルで拮抗した16人がそろった年はおそらくなかったように思う。地味なようでいて、実は、穴のない「豪華な陣容」なのだ。
志の高さだけで勝てるのかって? もちろん勝てるとも!
志の中には、自信という切り札(エース)が隠されているからだ。むろん、裏づけのない自信では意味がない。それは過信というもの。個々の選手が距離をしっかり踏んだという自信。全体の押し上げが予想以上に高いレベルで達成できたという自信。ポイントとなる1区中村の揺るぎない自信、2区高田の「この1日」のために合わせた自信。6区三浦の絶対的自信。4年生をはじめとして、すべてのメンバーによる自信のオンパレードだ。世の中で自信ほど怖いものはない。昔から、自信・雷・火事・親父というではないか。
20キロ超×16人では出場校随一であることを忘れてはならない。挑戦者である以上に「どこからでも、かかってきなさい」と受けて立てるほどのシックスティーンだ。16人がこのまま調子を上げていったら、おそらく相楽監督は当日まで頭を抱えているだろう。
あとは、個々の選手が「きのうの自分を追い抜く」だけ! 渡辺前監督は、しばしば120%の力を出さなければ勝てないとゲキを飛ばしていたが、今年のチームは100%の力を出し切れば、勝てるような気がする。欲をいえば、消費税分を入れて、108%の力を発揮してほしい。その先には、間違いなく「総合優勝」という名の「栄冠」が手を広げて待っているはずだ!
走れ! 早稲田魂。
(区間エントリー、写真は省略)