第27回出雲全日本大学選抜駅伝(10月12日)

44.5キロで行われていた第21回大会(2009年)から25回大会までの最高タイムは駒大の2時間09分11秒だった。昨年(中止)から距離が45.1キロに延びたにもかかわらず、青山学院の優勝タイムは2時間09分05秒。2位の山梨学院、3位の駒大も9分台でフィニッシュした。大学駅伝のスピード化は止まりそうもない。

そんな中で、早大は6位。微妙な結果だ。可もなく不可もなくと言ったところだろうか。スピード勝負の出雲では優勝争いに絡めないことだけは、はっきりした。

「明らかに力をつけているのに、実戦でそれを発揮できない。選手たちも不完全燃焼で、おそらくモヤモヤしたものを抱えているだろう」と言う初陣!相楽豊監督による今大会の採点は「60点」。
しかし、選手は誰も下を向いていなかった。勝つために、あと40点の上乗せが必要だとしても、そのくらいの力は間違いなく発揮できると自覚しているからだろう。

この大会に臨む前、選手たちは3冠を口にしていた。2010年度、早大が3冠を達成したときの夏合宿メニューを質・量ともにこなしたという自信があったからだ。ところが、大学長距離のレベルは2010年をはるかに上回っている。練習にももう「ひと乗せ」必要なのかもしれない。

各区間とも「ちょっと(一寸)」だけ足りなかった。ちょっとのスピード、ちょっとの粘り、ちょっとのラスト。あるいは、ちょっとの気迫か。ただ、「ちょっと」が積み重なると「一寸」ではなく「一尺」にも「十尺」にもなってしまう。あと3週間、足りなかった「ちょっと」を補って、伊勢では「ちょっとできすぎ」と思われるような快走を期待したい。

幸いなことに、高田康暉キャプテンが伊勢路には戻ってくる。それだけでも、10点以上の上乗せだ。高田は、夏合宿で「引っ張りすぎて」疲労が残っていたという。責任感の強い高田ならではの「失敗」だろう。

<1区>8.0キロ
●チーム順位・個人区間記録
1位 駒大・中谷圭佑 22分34秒
2位 青山学院・小椋裕介 22分49秒
3位 第一工大・ジョン・カリウキ 22分51秒
4位 明大・木村慎 22分52秒
5位 東海大・川端千都 23分08秒
6位 早大・武田凜太郎(スポ科3・早実)23分12秒

111

予想外のハイペースに「3キロからついていけなくなった」という武田だったが、終盤の粘りはみせてくれた。

<2区>5.8キロ
●チーム通過順位
1位 駒大 38分33秒
2位 青山学院 38分57秒
3位 明大 39分02秒
4位 東海大 39分17秒
5位 早大 39分23秒
●個人区間記録
1位 潰滝大記(中央学院)15分51秒(区間新)
2位 其田健也(駒大)15分59秒
3位 服部勇馬(東洋大)16分03秒
7位 柳 利幸(教4・早大本庄)16分11秒

22

3.5キロすぎ懸命に前を追う柳。順位こそ上げたが、先頭との差は開く。

<3区>8.5キロ
●チーム通過順位
1位 青山学院 1時間03分08秒
2位 駒大 1時間03分13秒
3位 東海大 1時間04分06秒
4位 山梨学院 1時間04分08秒
5位 東洋大 1時間04分13秒
6位 早大 1時間04分14秒
●個人区間記録
1位 久保田和真(青山学院)24分11秒
2位 服部弾馬(東洋大)24分13秒
3位 佐藤孝哉(山梨学院)24分38秒
7位 中村信一郎(スポ科4・高松工芸)24分51秒

33

距離も延び、さらに重要な準エース区間となった3区。中村はスタートから飛び出すと、1キロ手前で捉えた東海大・春日千速と明大に迫る(4.4キロ付近)。

<4区>6.2キロ
●チーム通過順位
1位 青山学院 1時間21分18秒
2位 駒大 1時間21分19秒
3位 東洋大 1時間22分02秒
4位 山梨学院 1時間22分04秒
5位 東海大 1時間22分10秒
6位 早大 1時間22分15秒
●個人区間記録
1位 口町 亮(東洋大)17分49秒
2位 上田健太(山梨学院)17分56秒
3位 平 和真(スポ科3・豊川工業)18分01秒

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熾烈な3位争い。東洋、山梨、東海に区間賞の勢いで追いついた平が抜け出すかと思われたが、ラスト1キロで再逆転された。いい走りだったが、力関係からして、区間賞を取り、3位に押し上げてほしかった。

<5区>6.4キロ
●チーム通過順位
1位 駒大 1時間39分53秒
2位 青山学院 1時間39分54秒
3位 東洋大 1時間40分43秒
4位 山梨学院 1時間41分01秒
5位 東海大 1時間41分01秒
6位 早大 1時間41分09秒
●個人区間順位
1位 西山雄介(駒大)18分34秒
2位 山村 隼(青山学院)18分36秒
3位 野村竣哉(東洋大)18分41秒
5位 佐藤 淳(スポ科3・愛知明和)18分54秒

55

先行する東海大(林竜之介・区間4位)を捉え、並走する佐藤。この区間も逆転するところまでいけなかったのが、惜しまれる。

<6区>10.2キロ
●総合順位
1位 青山学院 2時間09分05秒
2位 山梨学院 2時間09分45秒
3位 駒大 2時間09分50秒
4位 東洋大 2時間10分40秒
5位 東海大 2時間10分55秒
6位 早大 2時間12分06秒
●個人区間記録
1位 ドミニク・ニャイロ(山梨学院)28分41秒
2位 一色恭志(青山学院)29分11秒
3位 石橋安孝(東海大)29分53秒
10位 井戸浩貴(商3・龍野高)30分57秒

666

初コースのアンカーを任された井戸は重圧もあったのか「全然、動けずダメでした」という走りで、4位争いからも脱落。

 

 

 

 

2015-10-14