第83回日本学生陸上競技対校選手権(8月7日)

2日目に予定されていた5000mは、雷雨のため、3日目(7日)に延期され、朝9時のスタートとなった。
2400mでキトニー、オムワンバが飛び出し、新庄(中大)、服部勇(東洋大)、光延、田口が食らいつく。しかし、3000mからは、新庄だけが追走、遅れた服部、光延、田口は4位争いを演じ、最後は荻野(日大)、加藤(日体大)も加えて「ヨーイドン」のラスト勝負になった。
結果、下位入賞に終わったが、光延がここでも十分戦えることが分かり、また、トラックでは初エンジだった田口も十分に対応でき、インカレの収穫は10000mを含めて十分にあっただろう(十分の三連発)。

創部100周年を迎えた競走部が掲げた今年の目標のうち、駅伝を除くと、残された達成のチャンスは日本インカレのトラック優勝!だけだった。 関東インカレの失敗から4ヵ月、選手たちはたくましさを増して勝負の場に戻ってきた。短距離陣、長距離陣、継走メンバーが「全走一丸」となって着実に得点を重ね、トラック優勝を果たした。めでたしめでたし!

●男子5000m

1位 エノック・オムワンバ(山梨学院)13分40秒21
2位 ダニエル・ムイバ・キトニー(日大)13分40秒91
3位 新庄翔太(中大)13分52秒40
4位 服部勇馬(東洋大)13分53秒84
5位 荻野眞乃介(日大)13分54秒20
6位 加藤 光(日体大)13分54秒35
7位 光延 誠(スポ科1・鳥栖工業)13分54秒46
8位 田口大貴(スポ科4・秋田高)13分54秒71

5000-1

光延と田口は4、5番手で一進一退の攻防を繰り広げ、上位入賞も期待されたが、最後の直線での熾烈な争いに僅差で敗れた。

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3位の新庄が拳を突き上げるなか、4位以下は、1秒の間に5人が入るという大接戦のゴール。右から、服部勇、田口、荻野、光延、加藤。

●男子10000m競歩

1位 高橋英輝(岩手大)39分44秒78
2位 小林 快(スポ科4・秋田工業)40分22秒77
3位 松永大介(東洋大)40分56秒35

w-1

日本記録保持者の高橋、世界ジュニア金メダルの松永、日本学生20キロ競歩チャンピオンの小林がそろい、注目のレースとなった。スタートしてすぐ3人の争いになり、中盤までは3人が出たり入ったりの目まぐるしい展開。3500m、4200mと小林が先頭に出るも、引き離せない。

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4900mで高橋がペースを上げると、小林は2人から遅れ始めた。一度は追いついたものの、6000mで高橋がギアをさらに上げ、松永、小林を一気に突き放し、あとは一人旅。小林は6500mすぎに松永を捉えて、差を開き2位を確保。高橋が強すぎたとはいえ、見ごたえのあるレースだった。

●男子3000mSC

1位 津田修也(筑波大)8分49秒72
2位 矢ノ倉弘(山梨学院)8分52秒45
3位 渡邊一磨(東洋大)8分54秒77
10位 高橋広夢(スポ科4・東大附高)9分10秒63

3000

高橋は、合宿疲れか、動きにキレがなく、終始10番手前後を走り、持ち味のラストも発揮できなかった。

実は、最終日にも「京大突風」が吹いた。男子800m決勝で、櫻井大介が日本記録保持者の川元奨(日大)を破って優勝したのだ(川元はなんと4位に沈んだ)。過去、京大選手の優勝は10000m競歩の杉本明洋だけだと思っていたが、歴代優勝者を見ると、第1回大会(1928年)で相沢巖夫選手が100m、200m、4×100の3冠を達成していた。
櫻井といい、初日の平井健太郎といい、さらにはマラソンの川内優輝の例もあり、「自分で考える」ことの大切さを教えられた大会だったと言えるのではないだろうか。

しかし、よく考えてみると、ベルリンオリンピックの金メダリスト田島直人や銀メダリストの原田正夫は京大生と京大OBだった。ここは、名門校の復活! と呼ぶのがふさわしいのかもしれない。

2014-09-08