第47回全日本大学駅伝(11月2日)

出雲が中止になったため、各校ともお互いの成長度や力関係をはかる尺度がないまま、全日本大学駅伝を迎えることになった。そして、早大は、自分たちの「持てる力」を十分発揮することができず、上位校との差をまざまざと見せつけられる結果となった。

チームは、夏合宿を経て、そこそこの「底上げ」はできたはずだ。しかし、他校の「底」はさらに上方に達していた。

まあ、それほど悲観することはない。あくまでも目標は箱根だ。とはいえ、駒澤の壁はとてつもなく厚く堅固だった。壁の前にも、明治、青学、東洋など、ハードルが何台も立ちはだかっていることが分かった。さて、早大は、ハードルを飛び越え、壁をぶち抜けるのか。

「エース不在のチーム」と監督自ら言いつづけてきた。いつの間にか、マスコミも早大を「エース不在のチーム」と呼ぶようになった。
しかし、伊勢路を走って、山本修平というエースの存在が明確になった。これこそキャプテンの責任感というものだ。
箱根では、山を上る山本が、他校も「一目置く」不動のエースになる。

(変な言い方だが)それでも「エース不在のチーム」であることを証明するには、全員が「山本」になる以外、方法はない。まずは、自分に課した、あるいは課せられた「目標」と「役割」をきちんと果たすことが大切だ。むろん、さらなる「底上げ」は絶対条件になる。これまでエントリーされなかった選手にとっては、まさにチャンス到来! 箱根までの2ヵ月間、「オレこそエース」を目指して、何人の「山本」が誕生するのか、とても楽しみだ。

選手たちの「底力」は他校に決してヒケをとらない。自信を失うことなく箱根に「堂々と」挑んでほしい。

●1区(14.6キロ)
<個人順位・チーム通過順位>
1位 村山謙太(駒大)42分58秒
2位 村山紘太(城西大)42分58秒
3位 市田 孝(大東文化大)42分59秒
8位 柳 利幸(教育3・早大本庄)44分05秒

●2区(13.2キロ)
<個人順位>
1位 服部勇馬(東洋大)38分12秒
2位 中谷圭佑(駒大)38分21秒
3位 久保田和真(青山学院)38分36秒
7位 高田康暉(スポ科3・鹿児島実業)39分25秒
<チーム通過順位>
1位 駒大 1時間21分19秒
2位 東洋大 1時間22分20秒
3位 青山学院 1時間22分22秒
6位 早大 1時間23分30秒

●3区(9.5キロ)
1位 有村優樹(明大)27分32秒
2位 西澤佳洋(駒大)27分34秒
3位 海老澤剛(中央学院)27分38秒
15位 中村信一郎(スポ科3・高松工芸)28分55秒
<チーム通過順位>
1位 駒大 1時間48分53秒
2位 東洋大 1時間50分15秒
3位 青山学院 1時間50分17秒
9位 早大 1時間52分25秒

中村

中村の身体は左右にゆれ、中継地点100m前でもスパートできなかった。

●4区(14.0キロ)
<個人順位>
1位 中村匠吾(駒大)41分01秒
2位 山本修平(スポ科4・時習館)41分09秒
3位 井上大仁(山梨学院)41分28秒
<チーム通過順位>
1位 駒大 2時間29分54秒
2位 東洋大 2時間31分58秒
3位 青山学院 2時間33分33秒
6位 早大 2時間33分34秒

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スタート直後の山本。

●5区(11.6キロ)
<個人順位>
1位 横手 健(明大)33分22秒(区間新)
2位 工藤有生(駒大)34分09秒
3位 藤川拓也(青山学院)34分15秒
11位 光延 誠(スポ科1・鳥栖工業)35分27秒
<チーム通過順位>
1位 駒大 3時間04分03秒
2位 明大 3時間06分43秒
3位 東洋大 3時間06分43秒
8位 早大 3時間09分01秒

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やや「ホロ苦い」初陣となった光延(ラスト200m)

●6区(12.3キロ)
<個人順位>
1位 川崎友輝(青山学院)35分56秒
2位 西山雄介(駒大)36分00秒
3位 井戸浩貴(商2・龍野高)36分44秒
<チーム通過順位>
1位 駒大 3時間40分03秒
2位 青山学院 3時間42分46秒
3位 東洋大 3時間43分29秒
6位 早大 3時間45分42秒

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前をいく城西大・室井勇吾、東海大・高木登志夫を追う井戸(スタート直後)。

●7区(11.9キロ)
<個人順位>
1位 黒川翔矢(駒大)34分46秒
2位 石橋安孝(東海大)35分34秒
3位 山田 稜(明大)35分36秒
12位 佐藤 淳(スポ科2・明和高)36分16秒
<チーム通過順位>
1位 駒大 4時間14分49秒
2位 青山学院 4時間18分39秒
3位 東洋大 4時間19分11秒
7位 早大 4時間22分00秒

佐藤

初の駅伝だった佐藤もペース上がらず苦戦(松阪駅入り口)。

●8区(19.7キロ)
<個人順位>
1位 大六野秀畝(明大)58分06秒
2位 エノック・オムワンバ(山梨学院)58分28秒
3位 神野大地(青山学院)58分45秒
11位 田口大貴(スポ科4・秋田高)60分33秒
<総合順位>
1位 駒大 5時間14分36秒
2位 明大 5時間17分23秒
3位 青山学院 5時間17分24秒
4位 東洋大 5時間18分09秒
5位 山梨学院 5時間21分02秒
6位 東海大 5時間21分27秒
7位 早大 5時間22分33秒

田口

最後まで悪い流れを引きずり、田口までが失速(13・6キロ地点を通過)。

1区で17位と出遅れた明大が「つないで、つないで」2位に入った。「体調不良で2区の予定を5区に変更してもらったから、申しわけない気持ちで必死に走った」と語った横手健は、区間新の走りで、大会のMVPまでさらっていった。こんな選手になれたらいいね。

ポスター

 

 

 

2014-11-05