いつだったか、箱根は、ハーフ63分台を10人そろえる時代になるだろうと書いた。しかし、早大がその「領域」に達するには時間がかかるだろうとも思っていた。ところが! 日本学生ハーフが終わってみると、63分台はもう10人になった。なんと、早い到達だろう。それだけ高速化が進んでいるということだが、早大がいち早くその流れに乗ったのは自信という点で、大きい。
63分台は、1年生が井戸、武田、平、2年生では高田、中村信、三浦、柳、3年生は臼田、田口、山本の計10人。大砲・大迫が抜けたあと「全員がエース」が合言葉。来期には62分台が10人になりそうな勢いだ。
今回のレースぶりもよかった。10キロすぎに20人ほどなった先頭集団に6人がつき、田口、平、井戸らが日体大・山中とともにレースを引っ張った。
17キロの坂で、山中が飛び出すと、集団は一気にバラけた。ここでも、まず井戸が駒大・馬場とともに追い、田口、駒大・西澤がつづく。2着を争い、早大、駒大の4選手がゴールまでデッドヒートを繰り広げたが、田口、井戸が競り勝って2、3着に飛び込んだ。競り合いに弱いと言われた早大のイメージもこれで払拭された気分だ。13キロ地点で集団につくのが苦しそうだった柳が、落ちることなく、平、中村を逆転した粘りも光った。
三浦は箱根につづき好走した。あとはスピードだ。トラックでの28分入りを期待しよう。
<写真は表彰式後の田口(右)と井戸。「先輩の意地にかけても井戸には負けられなかった」(一度は井戸に引き離されかかった田口が逆転して)。扉の写真はゴール前200m、井戸、田口、馬場、西澤の早大・駒大の2着争い>
1着 山中秀仁(日体大)62分09秒(大会新)
2着 田口大貴(スポ科3・秋田高)62分30秒(自己新)
3着 井戸浩貴(商1・龍野高)62分33秒(自己新)
4着 西澤佳洋(駒大)62分33秒
5着 馬場翔太(駒大)62分37秒
6着 松村優樹(順大)62分46秒
7着 白吉 凌(東海大)62分49秒
8着 柳原貴大(帝京大)62分49秒
9着 三浦雅裕(スポ科2・西脇工業)62分52秒(自己新)
10着 塩谷桂大(中央学院)62分57秒
12着 柳 利幸(教2・早大本庄)63分04秒(自己新)
14着 中村信一郎(スポ科2・高松工芸)63分07秒(自己新)
17着 平 和真(スポ科1・豊川工業)63分22秒
43着 臼田稔宏(基幹理工3・佐久長聖)63分55秒(自己新)
53着 佐藤 淳(スポ科1・愛知明和)64分14秒(初記録)
88着 藤岡孝彰(商2・早実)64分40秒(自己新)
153着 鳥山 賢(教2・岡崎城東)65分33秒(自己新)
200着 高橋広夢(スポ科3・東大附属高)65分59秒
231着 前野陽光(スポ科2・多摩高)66分16秒(自己新)
239着 鈴木洋平(スポ科1・新居浜西)66分24秒(初記録)
289着 川村裕幹(基幹理工1・和歌山桐蔭)66分48秒(初記録)
441着 柄本勲明(スポ科1・早大佐賀)68分46秒(初記録)
444着 安田 匡(商2・安積高)68分48秒(初記録)
481着 佐藤征昭(スポ科1・安積高)69分18秒(初記録)
519着 本郷 淳(スポ科1・岡山城東)69分54秒(初記録)
583着 福井創一(スポ科2・北野高)71分00秒(初記録)
722着 中村駿介(社学2・岡崎城西)74分35秒