今大会の話題は、なんといっても山の神・柏原竜二の出場だった。「うっそ、柏原、ほんとに走るの」、「柏原って、顔わかるかな」、「わかんなくてもトップでくるのが柏原だよ」──沿道から聞こえる会話も柏原一色。その柏原がレースを引っ張ったため、ペースが早く、先頭グループと後方の差がみるみる開いていく展開になった(結果、33年ぶりの大会新が出る)。しかし、早大は距離経験の少ない選手がほとんどのためか、スローペースで入った序盤は、箱根駅伝予選会のような集団走。そのなかから、小林快が5キロ手前で飛び出し、10キロでは、徳留、山田、中山に追いつかれたものの、以降は引き離す一方で、トップ20入りを果たした。柏原から7分なら、まずは合格点といえるだろう。また、まだスタミナ不足だと思われた中山幸治が意外にも(失礼)、しっかり粘り切り、これは大健闘だった。
(扉の写真は、小林快を先頭に5キロ地点に向かう早大の集団)
柏原とすれ違うランナーたちは大喜び。しかし、柏原は21キロ過ぎから苦しそうな表情に変わった。柏原のすぐ後ろが優勝した伊藤。その後方に見える谷川にも抜かれた山の神には、厳しい試練のレースとなった。
●男子(40歳未満高校生以上)30キロ
1位 伊藤正樹(コニカミノルタ)1時間30分21秒(大会新)
2位 谷川智浩(コニカミノルタ)1時間31分09秒
3位 柏原竜二(富士通)1時間31分49秒
16位 小林 快(社学2・秋田工)1時間38分33秒
19位 山田侑矢(スポ科2・伊勢高)1時間39分04秒
20位 中山幸治(文化構想1・関東学院)1時間39分26秒
25位 岡田健志(スポ科2・奈良高)1時間40分53秒
27位 徳留 駿(法2・早大本庄)1時間41分58秒
28位 藤澤怜欧(スポ科1・多摩高)1時間42分13秒
29位 山下尋也(スポ科1・浜松西)1時間42分30秒
30位 前野陽光(スポ科1・多摩高)1時間42分52秒
34位 小林季生(人科1・佐久長聖)1時間44分04秒
70位 中村駿介(社学1・岡崎城西)1時間49分45秒
小林快は後半、ジリジリと順位を上げ、まずまずのタイムでゴール。
並走していた中山、徳留を20キロ過ぎから、徐々に引き離した山田は、昨年の記録を23秒上回った。
大健闘の中山。スタミナ不足だと思ったが、走り込んでいたのだろう。これから楽しみだ。
中盤まで自重していたのか、動けなかったのか、21キロすぎから猛然と追い込んだ岡田。
21.1キロ、山下は藤澤を引き離しにかかる。いったんは藤澤を10秒以上離したが、終盤逆転される。
折り返し後、最大の「難所」。21キロ過ぎのきつい坂を喘ぎながら上る中村。中盤以降、悔しい失速。
<青梅路のランキャラ>