早稲田の競走部は、駅伝を含めて古豪と畏敬されてはきたが、強豪と畏怖されたことはあまりなかった。それもそのはず、積み重ねてきた優勝の数、その多くは戦前のものだからだ。それにしても、関東インカレで戦後、1回も優勝していなかったとは、びっくり!だ。
八木主将のときに、こんな歴史的快挙を成し遂げるとは、彼もまた「何か持ってる」男に違いない。もちろん、持っているものは「仲間」。選手層が厚いとはいえないなか、まさに走力戦いや跳・投・走の総力戦。一人ひとりが、自分に与えられた役目を十二分に果たした結果つかんだ栄光だろう。この「出来事」は、新たな歴史の始まりという意味を込めて、「強豪の復活祭」と呼ぶべきかもしれない。
総合得点119点。1500m(岡崎も)からハーフまで、長距離陣の獲得した得点は40点。十分貢献したといえる。おめでとう! (国立競技場で、歴史的瞬間に立ち会えた人は、今年の運勢、大吉に転じます)。
●ハーフマラソン
1位 田村優宝(日大)65分11秒
2位 松枝 翔(山梨学院)65分36秒
3位 元村大地(東海大)65分36秒
4位 市川宗一朗(早大)65分39秒
5位 刀祢健太郎(東海大)66分16秒
6位 オンディバ・コスマス(山梨学院)66分17秒
7位 平賀翔太(早大)66分21秒
8位 田村優典(城西大)66分24秒
12位 前田悠貴(早大)67分46秒
競技場内の5キロ地点に向かうトップ集団。
中団にいた市川が、先頭集団から落ちてきた前田に迫る。
27℃を超える暑さで、コスマス、平賀の足が止まり、市川が残り2周で2人を交わした。
抑え気味に入り、中盤から激しく追い込んだ市川のゴール。過酷な条件のなかで、価値のある自己記録更新!
平賀のゴール。終盤、上位集団から落ちたのは、意外にも平賀とコスマスだった。
前田は果敢に攻めたが、暑さのためか粘りきれなかった。
●5000m決勝
1位 藤本 拓(国士舘)13分49秒69
2位 村澤明伸(東海大)13分49秒91
3位 大迫 傑(早大)13分50秒32
4位 鎧坂哲哉(明大)13分57秒64
5位 矢澤 曜(早大)13分58秒39
6位 設楽啓太(東洋大)13分59秒16
7位 ガンドゥ・ベンジャミン(日大)14分03秒57
8位 早川 翼(東海大)14分03秒66
19位 八木勇樹(早大)14分28秒66
トップ争いは3人に絞られ残り1周。前から、村澤、藤本、大迫。
ベンジャミン、設楽、矢澤、鎧坂(前から)の4人は残り5周すぎから、トップ3に少しずつ置かれていった。
終盤の押し上げがきかなかった八木。日大・棟方雄己と中位の争い。総合優勝にとって、1500mの貢献度は高かった。
●今日の1等賞●
棒高跳決勝:4m20で連覇を果たした笹瀬弘樹。個人優勝、チーム優勝の喜びに、4年間の思いが重なり、思わず感涙。卒業までに60は跳んで、学生記録を更新してほしい。
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