第４３回全日本大学駅伝（１１月６日）

テレビ放映される大会は報告するまでもないかもしれない。結果として、３強の上位争いになった。しかし、順調度、成長度で駒大が１歩抜けていたのは確かだ。必勝を期して、柏原をアンカーに配した東洋も３冠達成の厳しさを実感しただろう。だが、東洋に山の神あり。箱根では、駒大、東洋は互角と見ていい。

早大は、出雲、伊勢ともに２校の後塵を拝してしまった。残念には違いないが、箱根で「２強」にどう挑むか、負け惜しみでなく、とても楽しみだ。２大会で区間賞をひとつも取れなかった現状を考えると、選手一人ひとりが１００％以上の力を発揮しない限り、「２強」を崩すのは難しい。渡辺監督の言う１２０％の力だ。故障者がどこまで復調してくるか。４年生がどれだけ押し上げてくるか。最後の、そして最もほしい冠が早稲田の頭上に輝くのは、その２点にかかっていると思う。順調さを欠いたホップ（出雲）、そしてステップ（伊勢）のあとの大ジャンプに期待しよう。伸びしろも時間もまだ十分にある。

＜１区＞１４．６キロ
●個人記録（チーム順位）
１位　田村優宝（日大）４３分３８秒
２位　早川　翼（東海大）４３分４０秒
３位　攪上宏光（駒大）４３分４２秒
７位　設楽啓太（東洋大）４３分４７秒
１２位　山本修平（早大）４４分４２秒
＜２区＞１３．２キロ
●チーム順位
１位　駒大　１時間２２分０５秒
２位　日大　１時間２２分２８秒
３位　青山学院　１時間２２分３１秒
６位　東洋大　１時間２２分４３秒
８位　早大　１時間２３分００秒
●個人記録
１位　出岐雄大（青山学院）３７分４３秒
２位　大迫　傑（早大）３８分１８秒
３位　村山謙太（駒大）３８分２３秒
＜３区＞９．５キロ
●チーム順位
１位　駒大　１時間４９分１８秒
２位　東洋大　１時間５０分１７秒
３位　東海大　１時間５０分３９秒
４位　早大　１時間５０分３９秒
●個人記録
１位　油布郁人（駒大）２７分１３秒
２位　宇野博之（東洋大）２７分３４秒
３位　矢澤　曜（早大）２７分３９秒

ゴール前、東海大・中川と矢澤のデッドヒート。

＜４区＞１４．０キロ
●チーム順位
１位　駒大　２時間３０分１４秒
２位　東洋大　２時間３１分５６秒
３位　早大　２時間３２分１４秒
●個人記録
１位　上野　渉（駒大）４０分５６秒
２位　三田裕介（早大）４１分３５秒
３位　川上遼平（東洋大）４１分３９秒

東洋大を追い上げた三田。しかし、駒大には差を広げられる。

＜５区＞１１．６キロ
●チーム順位
１位　駒大　３時間０４分２９
２位　東洋大　３時間０６分３７秒
３位　早大　３時間０７分２１秒
●個人記録
１位　久我和弥（駒大）３４分１５秒
２位　田中貴章（東洋大）３４分４１秒
３位　大江啓貴（明大）３４分４９秒
４位　前田悠貴（早大）３５分０７秒

＜６区＞１２．３キロ
●チーム順位
１位　駒大　３時間４１分２８秒
２位　東洋大　３時間４２分５９秒
３位　早大　３時間４４分３４秒
●個人記録
１位　山本憲二（東洋大）３６分２２秒
２位　渡辺力将（上武大）３６分２５秒
３位　中村匠吾（駒大）３６分５９秒
３位　大須田優二（中大）３６分５９秒
６位　市川宗一朗（早大）３７分１３秒

追うものの「宿命」。初陣・市川は、前半突っ込み、後半苦しくなった。

＜７区＞１１．９キロ
●チーム順位
１位　駒大　４時間１６分５１秒
２位　東洋大　４時間１８分３１秒
３位　早大　４時間２１分１４秒
●個人記録
１位　高瀬泰一（駒大）３５分２３秒
２位　市川孝徳（東洋大）３５分３２秒
３位　渥美昂大（中大）３６分２９秒
４位　佐々木寛文（早大）３６分４０秒

７区から最終区へ、佐久長聖のタスキリレー。上は佐々木のラスト。

＜８区＞１９．７キロ
●チーム順位
１位　駒大　５時間１５分４６秒
２位　東洋大　５時間１６分１９秒
３位　早大　５時間２１分０６秒
●個人記録
１位　柏原竜二（東洋大）５７分４８秒
２位　Ｇ・ベンジャミン（日大）５８分３４秒
３位　窪田　忍（駒大）５８分５５秒
５位　平賀翔太（早大）５９分５２秒

トップと４分２３秒差でスタートした平賀。この差はあまりにも大きかった。

箱根まで、チームを底上げするには、今春同様、４年生の牽引力が必要だ。今回、初めて駅伝メンバーに選ばれた安永陽、亀山翔平に願いを託すべく、三重で見つけた二人に因む「お守り？」。桑名市安永はかつて東海道の船着き場として栄えた。いまでも常夜灯に明かりがともる。江戸時代には、丹波亀山と伊勢亀山があったそうだが、明治２年、丹波のほうは、伊勢に間違えられるというので、亀岡と地名変更している。三重の亀山はそれだけ強い地名といえる？

チームワークは以心伝心。足りない「心」を補い、「芯」を作り上げて完成する。

これじゃ、駅伝記事というより旅記事だ。しかし、駅伝はテレビのほうが、残念ながらよくわかりますからね。お許しを！　とどめは、箱根では早大に輝くはずの「明けの明星」。

2011-11-07