第５３回平成国際大長距離競技会（10月24日）
夏合宿の成果、そして成長ぶりのうかがわれた選手が多く、実りの多い記録会だったといえるだろう（於：鴻巣市立陸上競技場）。
女子３０００ｍでは、大学に入ってから、なかなか１０分の壁を突き破れなかった堀明日香が終盤伸びて、９分台でフィニッシュ。ならば、男子も負けていられない。５０００ｍで、西田稜が大幅に自己記録を更新して１４分４０秒台を出すと、１００００ｍでも、前野陽光が２９分台に突入するなど、自己記録を更新する選手がつづいた。そして、圧巻は中村駿介だ。２９分２２秒！ 記録だけなら、箱根を狙える位置に到達した。距離を克服できるか？ 上尾ハーフでの走りに注目だ。
●女子３０００ｍ
＜３組＞
１着 阿部沙香（しまむら）９分３８秒９８
２着 田中杏梨（しまむら）９分４５秒１８
３着 高見沢里歩（坂戸西高）９分５６秒０６
５着 堀明日香（スポ科２・世羅高）９分５８秒８７
次は関東インカレ５０００ｍの標準記録突破を狙う。
●男子５０００ｍ
＜６組＞
１着 井上裕貴（東京国際）１５分１４秒０６
２着 下山敦哉（松蔭大）１５分１４秒９６
３着 内田 光（佐久長聖高）１５分２０秒０３
２７着 山内敬仁（先進理工１・熊本高）１５分５８秒８２（自己新）
＜１０組＞
１着 篠村政寛（法大）１４分４５秒３７
２着 中川 賢（中央学院）１４分５０秒９４
３着 関 稜太（上武大）１４分５３秒９７
２１着 井上翔太（スポ科１・千種高）１５分１８秒９４
井上は中盤まで、１５分を切るペースだったが、３０００ｍからペースを落としていった。
＜１２組＞
１着 舘脇勇助（城西大）１４分３９秒６７
２着 篠原崇希（中央学院）１４分４１秒８６
３着 長田篤典（國學院大）１４分４２秒４２
７着 西田 稜（政経１・早大学院）１４分４７秒５３（自己新）
楽に自己記録を更新した西田。ムダな動きの少ないピッチ走法は長い距離で生きてきそうだ。
＜１５組＞
１着 河名真喜志（城西大）１４分２９秒４３
２着 服部潤哉（城西大）１４分２９秒９９
３着 足立直哉（東海大）１４分３０秒５３
２０着 谷口耕一郎（スポ科２・福大大濠）１４分３９秒９９
故障明けの谷口は慎重に滑り出し、中盤から中団に上がったものの、上位をうかがうところまでは押し上げられなかった。まだ復調途上、完全復活が待たれる。
●男子１００００ｍ
＜２組＞
１着 鈴木太基（大東文化）３０分２１秒６１
２着 大竹 徹（亜大）３０分２３秒７７
３着 清水建吾（大東文化）３０分２３秒９７
１５着 箱田幸寛（スポ科３・世羅高）３０分３８秒１６
１８着 鳥山 賢（教４・岡山城東）３０分４０秒６１（自己新）
２１着 河合祐哉（スポ科２・時習館）３０分４５秒２７（自己新）
箱田は８０００ｍすぎからズルズルと順位を下げ、失速かと思われた。しかし、８８００ｍで再び巻き返し、記録には表れない気迫を見せた。これは、成長の一つだ。
７６００ｍから遅れた鳥山は、なんとか粘って自己新。
積極的にレースを進めた河合も自己新。最後はまとめられなかったが、こういうレースができるようになったのも成長の証しだ（後ろに箱田、鳥山）。
＜３組＞
１着 永戸 聖（山梨学院）２９分５４秒２６
２着 海老澤太（中央学院）２９分５６秒５７
３着 新野元哉（山梨学院）２９分５７秒１１
４着 前野陽光（スポ科４・多摩高）２９分５７秒６４（自己新）
１０着 柄本勲明（スポ科３・早大佐賀）３０分０８秒５３
３６着 岡田 望（商１・国学院久我山）３０分５１秒１８（自己新）
６５００ｍで先頭に立ち、落ちそうになる柄本を前に、前にと促していた（これで前に出るのが遅れたように感じたが）前野は最後の直線（写真）で３選手をかわし、自己新。
ペースが落ちたとみるや柄本が４６００ｍで先頭に立ち、自分でペースをつくる。しかし、７２００ｍで持ちこたえられなくなった。
＜４組＞
１着 中村駿介（社学４・岡崎城西）２９分２２秒８１（自己新）
２着 寺内将人（東洋大）２９分２５秒４４
３着 中村佳樹（駒大）２９分２６秒１４
１１着 清水歓太（スポ科１・群馬中央中等）２９分４９秒４７（自己新）
１４着 三井泰樹（人科４・山形東）３０分０９秒３４
２２着 今井開智（スポ科３・桐光学院）３０分２８秒７５
終始上位につけていた中村は、切れ味鋭いラストを決め、東洋大・寺内、駒大・中村を一気に突き放した。
やや速いペースにとまどったか、いつもの積極性が見られなかった清水。５３００ｍで一度落ちたが、７２００ｍから盛り返す粘りを見せた。
三井は好位置にいたが、７０００ｍすぎの清水の巻き返しについていけず。
今井は６０００ｍで動けなくなった。
