前田、苦しみながらも意地の入賞

日本インカレ3日目を終えて、やはり疑問が残った。東洋大はどうして長距離選手をエントリーしないのだろうか(他の種目にも出場しないなら、納得しないでもないが)。駅伝に勝ちたいという気持ちは理解できても、大学教育、あるいはアマチュア精神という点で問題がありはしないだろうか。おそらく、大学の創設者である偉大な哲学者・井上円了先生は、地の下で、嘆いているか、怒っているだろうと思う。伝統豊かな学校だけに、気になるところだ。建学の理念はもっと高いところにあるはず。正々の陣、堂々の旗を期待したいところだが、よけいなお世話かも。

●男子5000m決勝
1位 エノック・オムワンバ(山梨学院)13分53秒53
2位 ガンドゥ・ベンジャミン(日大)13分55秒81
3位 ダニエル・ムイバキトニー(日大)13分57秒68
4位 大六野秀畝(明大)14分02秒01
5位 久保田和真(青学大)14分02秒70
6位 出岐雄大(青学大)14分03秒71
7位 前田悠貴(スポ科4・小林高)14分05秒56
8位 上野 渉(駒大)14分06秒18
9位 山本修平(スポ科2・時習館)14分08秒10

残り3周から、前田と山本は一進一退のレースを展開。バックストレートでスパートした前田が山本を一気に突き放した。


持ち前の積極的なレースで、3000mまではオムワンバに食い下がっていた前田。3800m、すぐ後ろは、日本人トップの大六野。前田はここから苦しくなり、残り2周で後方にいた山本、出岐に引き離されたが、意地のラストスパートで山本を抜き去り、出岐に迫った。

序盤、じっくり足をためているようにみえた山本。終盤上位に迫るシーンもあったが、最後は伸びなかった。

●女子5000m決勝
1位 鈴木亜由子(名大)15分44秒45
2位 荘司麻衣(中京大)15分51秒25
3位 竹地志帆(佛教大)15分56秒78

15位 天児芽実(スポ科4・新潟第一)16分24秒28

暑さのレースがこたえたのか、10000mとの掛け持ち選手が軒並み順位を落とすなか、天児は落ち着いた走りで何人かの強豪選手に先着するという非凡なスタミナを見せた。下の写真は、10000m3位の森知奈美をゴール直前でかわした天児。

2012-09-12